残債の返済期間

前回の記事で、「任意整理や特定調停、個人再生等は和解が成立してからが本当の戦いだ。」という話をしましたが、今回はその戦いでもある残債の返済期間についてお話します。

・任意整理の返済期間は基本3~4年間とされています。債務者の返済能力によっては5年間にされることもあるようです。

・個人再生の返済期間は基本3年間ですが、特別な事情がある場合や3年間で返済が出来ないと判断された場合は、返済期間が2年間延長されることもあります。なお、個人再生では、返済期間を3年間よりも短くすることを禁止されています。

・特定調停の場合の返済期間は原則3年間です。まれに4年間、5年間ということもあるようですが、3年以内とされるのが実情のようです。逆に言えば、残債が3年以内に返済できそうな金額でないと特定調停は出来ない、ということです。3年以内に返済が困難な場合は、任意整理などの債務整理の方法になります。

以上、それぞれの返済期間を簡単に比較し、どの方法も返済期間は3~5年間だということが分かりましたが、もちろんケースバイケースによってどの方法がベストなのかは変わってきます。それに、残債の返済期間が3年間と聞くと長いように思うかもしれませんが、残り3年間もあると考えずに、債務整理で減額された借金を3年もかけて返済できると考えるのが良いのではないでしょうか。同じ期間どうせ戦うなら、ポジティブシンキングで戦いましょう!!

債務整理の期間の有効利用?

色々な債務整理の期間を見てきた訳ですが、即日から三ヶ月、長くて一年。その間の有効活用はないものでしょうか?

比較的早いとされている任意整理でさえ、債権者が和解案にしぶり、和解がなかなか成立しない人もいるようです。負債者がそれだけ多くなってきているのも、債権者を渋らせている原因かも知れませんが……。貸した方も悪いが、借りた方も悪い。当時はそれで納得して借りたのだから、そのまま返すのが筋なのだろうけれど、時代は変わってきています。貸した当時とはお金の価値すら違うものになっているかもしれません。

んなアホな!と思うかもしれないけれど、それだけ大きく時代は短い間で動いているのだと思います。で、肝心な債務整理の期間中を如何に有効利用するか、と言えば。

とある人のブログにはこの期間に貯蓄をして、返済に充てると書いていたりしているのを見て、みんなそれぞれ前を向いているんだなとしみじみしたり。そりゃ、お金を借りて、返せなくなっちゃったのは自分自身のせいかもしれないけれど、それでも債務者は債務者なりに反省して、そして新しい一歩を踏み出す為に努力をしているんですよね。任意整理や特定調停、個人再生等は和解が成立してからが本当の戦いな訳ですよ。それから返済をしていかなくてはいけないのだから。自己破産は借金がチャラにはなるけれど、それ相応の社会的制裁を受ける訳です。それは他人にばらされたり村八分にされたりするような事ではないけれど、少なくとも己自身に強く戒める事だと思います。それを乗り越える為の準備期間とも言えるかもしれませんね。

自己破産の期間

さて、一番最後は自己破産の期間の問題なのですが、ヒトツ疑問が……。自己破産するのに、過払い請求って出来るものなのでしょうか?調べてみると出来ない事もなさそうです。新破産法によって、財産の総額が99万円以下なら処分されないそうなので、過払い請求をして、その返ってきたお金が99万円以下ならOKという事ですよね?

旧破産法は色々と厳しかったようですが、破産者が多くなってきた今、新しい破産法によって、いくつかややこしい面も改善されたのだとか。改善されるのは悪い事ではないけれど、きっかけが破産者の増加とは何だかちょっと皮肉ですね。

で、自己破産の期間なんですが、自己破産申し立てから免責許可の決定を受けるまで、早くて3ヶ月、遅くて1年以上かかるときもあります。それは申し立てた人の債務の状況や弁護士に依頼しているかどうかでかなり違ってくるようです。

自己破産するには通常、破産手続開始決定が下りるまで、自己破産申立てから1〜2ヶ月はかかります。
しかし、東京地方裁判所などの一部の裁判所では「即日面接」という制度があり、これは自己破産申立てを行ったその日(またはその日から3日以内)に、弁護士と裁判官が面接し、「債務者が支払不能」と判断されれば、その当日のうちに破産手続開始決定が下りると言うもの。
ただし、この即日面接は「弁護士が代理人となっている場合に限る」となっているので、債務者本人が手続する場合は認められていません。ですので、手続を早く終わらせたい場合は弁護士へ依頼することを検討したほうが良いかもしれませんね。

個人再生の期間

今回は個人再生の期間についてのお話。債務整理に必ずついて回るのが、過払い請求なんですが、いい事だらけではありません。当然、過払い請求にもデメリットはあるんです。

個人再生の場合で言えば、強制整理となってしまうので、過払い請求は別途手続きを行わなくてはいけません。手続きが違うってだけで過払い金は返ってくるかもしれないのだから、デメリットとは言いづらいのですが……。
さて、この個人再生なんですが、非常に手続きがややこしいそうです。そして、期間も長そうです。まず、裁判所へ個人再生申立書を提出します。また、裁判所から支持された追加書類や追加説明を提出しなくてはいけません。その間、約2週間程度。それから裁判官との審問があります。三年間で本当に返済できるのか、高額な財産などはないかなど、裁判官から質問を受けます。事前にちゃんとした資料を揃えておけば、審問は約5分程度で終了します。そして、その日中に個人再生手続きの開始が決定されるのですが、本当に3年間きちんと返済できるかどうかを見る為の履行テストが始まり、住宅ローンについては弁済許可決定が出ます。履行テストとは、いわゆる返済の予行練習みたいなもので、用意した口座か弁護士の口座に毎月決まった額を振込み、その結果を裁判所に報告する事になっています。個人再生では住宅ローンは支払いを継続する事が出来ます。その後、財産状況報告や再生計画案提出、そして、認可が下りれば再生計画に基づいて返済を開始します。その期間、ざっと1年ぐらいはかかるでしょう。個人を対象にしているけれど、これも民事再生と同じ事なのです。

特定調停の期間

今、色々な債務整理の期間の話をしていますが、過払い請求のデメリットとしてよくあげられるのが、過払い請求にも時効がある、という事だそうです。こういう債務整理の期間にも時効って存在するものなのでしょうかね? 時効というよりは支払い期間が決められている……ぐらいかな……。
おっと、話は飛びましたが、特定調停の期間について。債務整理の方法としては任意整理とあんまり変わりません。ただし、これは任意整理と違って裁判所に介入してもらう債務整理ですので、まずは何より裁判所へ行きましょう。そして、特定調停の申し立てをする為の書類をもらってきて、全てに記入してください。また、忙しい人はこの書類の作成を弁護士や司法書士の方におかませするのも時間短縮になるかもしれません。そして、再び裁判所へ提出します。それから、1〜3週間ほどで裁判所から呼び出しの通知が届きますので、そこに書かれている日時に裁判所へ行きましょう。
特定調停に於いて、裁判所へ行くのは2回となっています。始めの1回目は調停員と債務者であるアナタとの話し合いです。自分の債務状況や現在の経済状況、また今後の返済計画等、調停員が債権者と話し合いをする上で必要なことを聞かれるでしょう。2回目は債権者の担当者も交えた3者での調停になります。 調停といってもいわゆる話し合いで、調停員がきっちりとその場を仕切ってくれますので、比較的スムーズに進むことでしょう。
これが終われば、後は裁判所から調停調書(任意整理に於ける和解案のようなもの)が届きますので、アナタはそれに書かれている事をちゃんと守って返済を開始しましょう。これで、特定調停は終了となります。この期間もまちまちですが、裁判所という強制力が介入している事もあり、約2〜3ヶ月で解決するようです。

任意整理の期間

さて、ようやく本題か、という感じですが。任意整理の期間についてのお話をしたいと思います。

前の記事で書いた通り、任意整理は裁判所を通さずに債権者と直接話し合いをする事が出来ます。が、強制力を持たないので個人で任意整理を行えば、債権者も強く出てくる事もあったりして、話はまとまらない事が殆どです。では、弁護士や司法書士の専門家に委任するという前提で、その流れを見てみたいと思います。
まず、相談窓口で方針を決め、アナタは弁護士や司法書士さんと委任契約を結びます。そして、委任された専門家は直ぐに債権者の元へ「受任通知」を発送します。その時点で、債権者は負債者への取り立てを止めなくてはなりません。と、いう事で、アナタへ債権者からの請求は一切止まります。

しかし、それで終わりじゃありません。そこから、アナタの負債総額を利息制限法に基づき引き直し計算をし、「過払い金」がないかを見ます。もし、「過払い金」が発生していたらそれを減額し、和解案を作成するのです。注意すべき点は、過払い請求には時効があるので、早めに見ておきましょう。そして、和解案を債権者に提出し話し合いをして和解が成立すれば、そこからアナタは和解案に従って3年から5年の間で返済をしていくことになります。

とは言え、任意整理はそんなに減額は望めません。あくまでも、継続して収入がある人が出来る債務整理のひとつと言えます。他の債務整理の方法に比べれば期間は短い方ですが、それでも債権者側が和解案に納得しなかったりして和解成立が遅くなる場合もあります。大体、期間としては約3ヶ月から1年ぐらいでしょう。

一人でできるもの?

さて、色々と債務整理の事について話をしてきましたが、こうやって考えると何だか、自分だけでは手に負えない事のように思えてきますよね。

実際、任意整理等は割と簡単で一人ででも出来るとは言われています。しかし、前述の通り任意ですのでなかなか話がまとまらなかったりする事があります。
特定調停も一人でやるには大変です。個人再生や自己破産になるともっと一人では無理になります。出来ない事はありませんけれど、やはり、専門家がいた方が心強いですよね。

専門家に頼むとなるとそれなりの費用がかかるので嫌がる人もいるし、返済に窮している状態でどうやって他にお金を支払えるのかと逆切れする人もいるでしょう。
しかし、そんな事は始めから専門家だって分かっているのですよ。何もお金に困っている人を更に追いつめてやろうとか思っている訳ではないのです。……まぁ、中には提携弁護士といってあくどい人たちと手を組んで、債務者を更に追いつめるような真似をする人も無くはないですが……。しかし、そんな人は稀と言ってもいいでしょう。とは言え、人には相性がありますので口コミで「いい先生」といわれている人も、自分には合わない場合もあります。相手も人間ですからね。
もし、アナタが債務整理の相談をする事になったなら、自分のパートナーとなるべき人をよく観察しておきましょう。この人だと思える人と信頼関係を早く築けたら、その分解決も早くなるかもしれませんよ。

どっちの味方?

前の記事で「グレーゾン金利」がもたらした「過払い金」の話をしました。

しかし、ふと疑問に思うのは「何で今までそれがまかり通っていたのか」という事。もちろん、それが貸金業者やまた借りる方にも一般的になっていて誰もその事に気づいていなかったというのもあるでしょうし、現に法には触れていないので、どうしようも出来なかったのかもしれません。

また、それを後押ししていたものが「みなし弁済」といわれるものでした。みなし弁済とは、1983年「出資法」の金利引き下げにともなって、貸金業者が不利益にならないようにとの政治的配慮から出来た「貸金業規制法」と呼ばれる貸金業の規制等に関する法律の43条のことをいいます。これは、債権者が本来なら無効であるはずの「利息制限法」に 定められた利率を超える利息を債務者に請求し、受け取る正当な権利だと考えればわかりやすいかと思います。つまり、早い話が貸金業者は本来なら利息制限法を守らなければいけないのに、この43条さえ踏まえていれば利息制限法を超える金利を取ってもよい、ということを認めた法律なのです。
特に、過払い請求などに於いて、貸金業者は利息制限法に対してみなし弁済で対抗してきます。しかし、みなし弁済が認められる為には、様々な条件を完璧にクリアしていなければならなかったのです。このように、一体どちらの味方なのか分からないような矛盾した法律が、私たちの生活を乱していたのも事実なのです。

グレーゾーン。

債務整理の期間の話をそろそろしたいのですが、色々とその前に予備知識を入れておかなくてはなかなか話が進まないので、今しばらくおつき合いくださいね。

皆さんは「債務整理」の次に「過払い金」とか「過払い請求」なんてコトバをよく聞くようになったのではないでしょうか。「過払い金」とは、債務整理をする段階で発生する場合もあるお金で、発生すれば更なる負債の減額になるので、今や「債務整理」と「過払い金請求」は切っても切れない関係にあります。
さて、この「過払い金」一体どうやって発生するのかと言えば、高利の消費者金融業者などがいう金利に対する主張と、法律に則して本当に取ってもよい金利に生じた、ギャップが原因となります。
何故、ギャップが生じるかというと、金融消費賃貸借において、利息制限法という法律で借りたお金によって、利率の上限が決められています。10万円以下なら20%、100万以下なら18%、100万以上なら15%……といった具合。しかし、もうヒトツの法律である「出資法」の上限利率は29.2%です。ここで、利息制限法と出資法の上限利率に差が生じているのが分かりますね。なので、業者は自分の「約定利息」を出資法の29.2%を超えない程度に設定をして、債務者へお金を貸していたのです。このギャップこそが「グレーゾーン金利」と呼ばれ、過払い金を発生させる原因になりました。

今は、法改正されそのギャップは埋められたのですが、その金利で返済をして終わった人や現在進行中の人も、今の利息制限法に基づき計算し直すともしかしたら払いすぎたお金が出てくるかもしれません。

債務整理のお話。

債務整理の期間の話をする前に、少しだけ前の記事で書いた債務整理の四つの方法について、お話しておこうと思います。
債務整理は「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」の四つの方法があります。それぞれ、債務者の状況に合わせて対応でききるようになっています。
この債務整理はあくまでも債務者の負債を少しでも軽くし、元の生活に戻ってもらう事を目的とし、最終的には負債からの解放を目指すものです。その根本的解決がなされなければ、債務整理という方法は意味を成しません。
債務整理の1つ、任意整理とは裁判所等の公的機関を通さずに、個人で行える債務整理です。しかし、任意であるが故に債権者が中々話し合いに応じてくれなかったり、下手をすると丸め込まれてなかった事になってしまったりするので、第三者として専門家に介入してもらった方がいいでしょう。その方が期間も短くなります。
二つ目の特定調停は任意整理と殆ど同じですが、任意整理のときは介入してこなかった裁判所等の公的機関が介入して債権者との調停を行うものです。ただし、債務者は裁判所に出向かねばならず、忙しくて時間がなかなか取れないという人は難しいかもしれません。
三つ目の個人再生は「民事再生」の個人版です。元々は企業の再生を促すものであったのを、個人にも適用させたのがこの制度です。しかし、色々と手続きがややこしいので、自分一人で行うのは無理だと思います。専門家の手を借りて、きちんと手続きを行う方がいいでしょう。
四つ目の自己破産は自分が保有している資産の全てを失くす代わりに全ての債務が帳消しにされる制度です。しかし、免責を受けられないと借金は無くなりません。